家具には色々な塗装があります。
塗装の違いで、家具の雰囲気は大きく変化し、メンテナンス方法も異なります。
家具を選ぶ際に「家具の塗装」を知っておくと、より自分に合った家具を選ぶ助けにもなってくれます。
無塗装の無垢材家具は、木材の表面が繊維構造のため、液体が付着するとすぐに木材繊維に浸透してしまい、液染み汚れになってしまします。
そのため身の回りにある家具などの木製製品は、一般的に木の表面が塗装で保護されています。
そういった家具の「保護」的な意味での必要性と「美しく仕上げる」という意匠的なニーズも塗装が用いられる理由です。
家具の塗装を大きく分けると「UV塗装」「ラッカー塗装」「ポリエステル塗装」「ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)」「オイルフィニッシュ(オイル塗装)」などになりますが
中でも代表的な塗装は、「オイル塗装」と「ウレタン塗装」です。
今回はこの2種類の塗装方法についてのお話です。
オイル塗装とウレタン塗装は、どちらも木材や金属、その他の表面を保護するために使用される塗装方法ですが、いくつかの重要な違いがあります。以下はその主な違いです。
1.使用される素材の違い
オイル塗装: 主に天然のオイル(亜麻仁油、チークオイル、オリーブオイルなど)を基にした塗料です。オイルは木材に浸透して、内部から保護します。
ウレタン塗装: 合成樹脂を基にした塗料で、硬化剤と混ぜて使用します。ウレタン塗装は表面に薄い膜を作り、外部からの保護を提供します。

↑ウレタン塗装の木の質感
2.仕上がりの違い
オイル塗装: 木材の自然な風合いを引き立て、艶消しや半艶の仕上がりになります。塗装後も木目が見え、木材自体の質感が残ります。
ウレタン塗装: より光沢があり、表面が硬く仕上がります。高い耐久性を持っており、艶ありや艶消しなど、さまざまな仕上がりを選べます。
3.耐久性と保護力
オイル塗装: 木材に深く浸透するため、表面には膜を作りません。これにより、水や汚れの防止効果はありますが、外部からの衝撃や摩耗に対してはウレタンほど強くありません。定期的な再塗装が必要です。
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ウレタン塗装: 表面に堅牢な保護膜を作り、摩擦や衝撃、紫外線に強くなります。水や汚れにも強く、耐久性が高いため、長期間のメンテナンスが少なくて済みます。
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4.乾燥時間と施工方法
オイル塗装: オイルは比較的ゆっくり乾くため、塗装後に乾燥時間を長く取る必要があります。また、塗布後に余分なオイルを拭き取る必要がある場合があります。
ウレタン塗装: ウレタンは化学反応で硬化し、乾燥が比較的速いですが、完全に硬化するまでには時間がかかります。塗装後は表面がしっかりと固まるまで触れないようにします。
5.メンテナンスの違い
オイル塗装: 木材が乾燥したり、色が薄くなることがあるため、定期的にオイルを塗り直す必要があります。特に屋外で使用する場合や高温多湿の環境ではメンテナンスが頻繁に求められます。
ウレタン塗装: 表面が硬いため、傷がつきにくく、汚れも落ちやすいです。しかし、傷がついた場合は修復が難しく、再塗装をしないと完全に元に戻すことができません。
6.使用場所や用途
オイル塗装: 主に家具や木材のインテリア部分に使用され、自然な風合いが求められる場合に適しています。屋外の木材にも使われますが、耐久性はウレタン塗装に劣ります。
ウレタン塗装: 耐久性が高いため、特に屋外で使用する家具や床、金属製品に適しています。摩擦や衝撃に強いので、長期間使用される製品に向いています。
まとめ
いかがでしょうか
見た目ではそれほどオイル塗装とウレタン塗装の違いは気にならないレベルだと思いますが、オイル塗装は比較的水に弱く、濡れたままにしておくとシミができる原因になったりします。
一方でウレタン塗装は水分に強く、オイル塗装と比べてシミになりにくく水拭きができます。
オイル塗装: 自然な仕上がりと風合いが特徴。再塗装が必要で、耐久性・耐水性はウレタン塗装より低め。
天然の木が持つ自然な質感や肌触り、風合いをより重視する方にはおすすめです。
ウレタン塗装: 高い耐久性と表面保護力を持ち、光沢のある仕上がりが特徴。長期間の使用に適しており、メンテナンスが比較的簡単。
耐久性・耐水性がオイル塗装に比べると高めなので、赤ちゃんや小さい子供がいる家庭にはその扱いやすさがおすすめです。
オイル塗装とウレタン塗装はその方法も特徴も異なるため、好みや使用する環境に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
あまりこだわりの無い方も多いかと思いますが、こういった材質の観点からも家具選びの参考のひとつにしていただければと思います。